成年後見制度の手続きや費用

「成年後見制度」とは、認知症や精神障害、知的障害などにより、十分な判断能力を持っていない方を保護するための制度です。
一人暮らしのご老人が、悪質な訪問販売員に騙されて高額商品を買わされてしまった、という悲しい事件も、この成年後見制度を活用することによって、未然に防ぐことが可能になります。
近年、成年後見制度を利用される方は毎年1万人以上のペースで増加しています。少子高齢化社会の進行に伴い、今後も利用者数が増加することが認められています。

成年後見制度は、家庭裁判所に申し立ての手続きをすることにより、判断能力を持っていないと判断された人が不利益を被らないよう、その方を援助してくれる方を指定してもらうことができます。この援助してくれる方を「成年後見人」と呼びます。
この成年後見制度を利用するメリットは、ご本人が詐欺等に遭っても契約を取り消すことができるという点、そして成年後見人の地位が公的に証明される点にあります。

成年後見制度の申し立てには、少額ながら費用が発生します。申立手数料や登記手数料などに数千円が必要となる他、鑑定を実施する場合は5万円から10万円が必要となることに留意が必要です。

また、成年後見制度の手続きには、主に以下のような書類が必要です。
・申立書とその附票
・申立人の戸籍謄本
・ご本人の戸籍謄本、その附票、登記事項証明書、診断書、その他報告書
・成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記事項証明書

このように、成年後見制度は多くの書類等を必要とし、手続きも複雑です。また、承認までに時間が掛かってしまうケースも少なくありません。そのため、ご家族を少しでも早く守ることができるよう、迅速に手続きを開始することが必要です。

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